⚫︎フライング、0.1秒の壁 ー神経伝達速度ー

 陸上競技ではスタートのピストル音から0.1秒以内に反応した場合には、不正スタート(フライング)と判定されます。

 このルールは、人間が音を聞いて体を動かすまでに最低でも0.1秒はかかるという医学的根拠から成り立っています。

 音が耳から入って、脳に情報が伝わり、筋肉へ命令が伝わるまでに0.1秒はかかるので、それ以前に反応した選手は「音を聞く前に動いた」とみなされるのです。

 神経の伝達速度は新幹線並みの速さでも途中にシナップスという中継地点があるのでどうしてもある程度の時間がかかってしまうのです。ただし最近では訓練により、0.1秒未満でも反応できる選手がいるという報告もありルールも改訂される可能性もあります。

<中学校での思い出>

 私が中学生の時に、理科クラブの生徒たちが「人間の反応速度」の研究をしていました。運動部の生徒と運動部ではない生徒で「ランプが光ってから体が反応するまでの時間」がどう違うかを調べていました。

 私はハンドボール部でしたので、仲間と一緒に運動部側で実験に参加しました。実験の結果がどうであったか、はっきりと覚えていません。残念です。ただ理科クラブは、何かの賞をもらったと記憶しています。