●(数式を使わない数学)登山の話

 登山好きのAちゃんはある日、銀閣寺を午前9時に出発して12時に比叡山の頂上に着きました。その日は山頂で宿泊しました。

 翌日、午前9時に山頂を出発し、昨日と同じ道を歩き、12時に銀閣寺に戻りました。

この時、Aちゃんは「昨日と同じ時刻に、同じ地点を通過した」ということがあるでしょうか。ずっと写真をとり続けたら「同じ時刻、同じ場所だ」ということがありうるでしょうか。

[ヒント]

 Aちゃんが登り始めた同じ時刻に、ノンキ君が頂上から銀閣寺に向かつて歩きはじめたと考えてみてください。グラフを描いてみると、、、、

(グラフの縦軸は出発点からの距離です。標高ではありません)

<存在定理>

 この定理のように「○○が存在する」という主張の定理を存在定理と言います。具体的にどこにあるかは、示さずに「存在する」ということだけを証明するのです。数学のイメージとして「答え」が「ひとつだけ」求まるという感じがあると思いますが、こんな定理もあるのです。私は、こういう定理が好きです。