●今までの理科の先生と全く違う 2012.4.21(7.25改訂)

校長と面談でびっくり「転勤で3年生、しかも進路指導主事」

ーたいへんな学年らしいー

 その3年生は、1年生のとき学年主任が 病休で変わった。2年生で来た新しい理科の先生が病気でわずか2ヶ月で退職した。年配の方(74歳)が理科の講師に。それも続かなくて3人目に。

 理科室ではマッチをかって持ち出す。技術では,半田ごてが宙を飛ふ。途中音楽の先生が産休に。

 この学年の子どもたちが小学校3年生のときに学級崩壊を経験している。

 

 そんな新3年生ではどうやら 担任の先生が3人は代わるようだ。理科という教科・先生?に対してのイ メージはよくない。これ挽回できるのか。

 まずは,話を聞いてくれれば,なんとかなる。聞いてくれなければ、どうしよう。

 

 悪い予想ばかりが浮かぶ。せっかく,前の学校は落ちついてきて,授業書はいい評価をもらえるようになってきたというのに。転勤でがっかり。 おまけに,進路主任。どうなることやら。

 

 

●授業が始まってびっくり

 空きの先生たちが掃除にかこつけて廊下を巡回してくれている。昨年は理科・音楽の授業が成り立たなくて,教師が入り込んでいたそうだ。

 でも,今年は少し様子が違うようだ。入れ替わりいろんな先生が教室をのぞきに来るのだ。 後で聞くと

ころによると「先生の授業が火(ブタンガスで遊ぼう) を使っておもしろそうだから、のぞきに来たんですよ」と。その日も3人ものぞきに来てくれたので、思わず教室に招き入れた。しかも,1人はカメラまで持って。うれしいですね。

 〈ブタンガスで遊ぼう〉〈見れども見れず〉で取り合えずこちらを向かせることには成功したようだ。しかし,これから教科書授業はどうだろう。理科室に入れると,いろいろなものがなくなったり,マッチとか火遊びをしないだろうか。

 まだまだ,前途多難だが,仮説実験授業で「予想を立てる」ことができるようになってきた。校長の話の絶望感から,いまは逆に「やってやろう」「理科・教師に対してのイメージを一新してやろうじゃないか」という気になってきた。

 

 

●教頭に頼まれた「若い先生に授業を見せてやってくれ」

 そんなある日、教頭に

「講師の若い理科の先生に授業を見せてやってくれないか」 

と頼まれた。その先生は、昨年別の学校にいたのだが,しんどかったようだ。やる気はあるのだが」と。

 

 その先生は授業を見て, 「イヤー,授業への食 いつきがちがいますね。」と、しきりに感心していた。

●〈イオンと食べ物〉を始める

 そのあとすぐに,<イオンと食べ 物>をやり始めた。これはイオ ンテスター1本で,いろいろな食べ物 が電気がつくかどうかを、ずっと追っていくものだ。彼ら彼女らは 本当に楽しんでくれた。 

 

●なんだ。けっこういい子どもたちじゃないか

 右の感想文を見てほしい。

「毎回、理科が楽しみでした」「これからも勉強をがんばりたいです」

 他の子たちの感想文(↓)も同様だ。

私は「理科・教師のイメージを一新してしまった」のか。

 

  いや私の力ではない。「楽しい授業/仮説実験授業は万能なのだ」

                 そんな思いになれた3年生との1年間だった。