2022.07.12 猪塚憲機
光線過敏症とは光(紫外線や可視光線)に当たることで皮膚症状を生じる病気です。原因としては薬剤(内服薬、塗り薬、湿布薬)や遺伝性疾患、全身性エリテマトーデスなどがあります。薬剤では内服薬には解熱鎮痛剤、カルシウム拮抗剤(降圧剤)などがあります。また湿布薬のケトプロフェン剤(モーラステープなど)も光線過敏を起こしやすいです。この場合、今年湿布を貼って光線過敏を起こした人が、来年湿布を貼らなくても同じ部位に日光が当たると、皮膚炎を生じます。
したがって光線過敏を起こした人は、来年以降も、その部位に日光を当てないようにすることが重要です。
また植物(ライム、セロリ、パセリなど)にはフラノクマリンという物質が含まれています。この物質は体内に入ると一部のひとに、光線過敏を起こします。また化粧品などに含まれる香料でも一部の人に光線過敏を起こすことがあります。
この場合、例えば、冬にその化粧品を使っても大丈夫な人が、夏に使うと皮膚炎を起こすということがありえます。
さらにサンスクリーンでも、一部の人は光線過敏を起こすことがあります。日光を防ぐつもりで使ったサンスクリーンで逆に「日光カブレ」を起こしてしまうという皮肉なこともあるのです。