●マニアック版「日本シリーズと数学」

2チームに実力差があった場合を考える  2022.6.16

 日本シリーズが4勝何敗で決着するか?という問題を考えます。セリーグの代表はドラゴンズ、パリーグの代表はホークスにしておきます。

 両チームの勝つ確率が1/2の時は「日本シリーズと数学」で解説しました。

 ここでは、勝つ確率が異なる時を考えます。

 ドラゴンズの勝つ確率をp,Hの勝つ確率をqとします。

 0<p<1,0<q<1です。またp+q=1です。(つまりq=1-p)

 

4勝0敗で決着する確率をM0

4勝1敗で決着する確率をM1

4勝2敗で決着する確率をM2

4勝3敗で決着する確率をM3

とします。

 

M0=p+q=p+(1-p)

M1=4pq+4q4p=4{p×(1-p)+(1-p)×p}

M2=10p×(1-p)²+10p²(1-p)

M3=20p³×(1-p)³

 

これをグラフで示すと次のようになります。

<M2(4勝2敗)とM3(4勝3敗)の大小について>

M2のグラフとM3のグラフを比べてみると

   p=1/2の時  M2=M3         それ以外の時  M2>M3

が成り立ちます。

 実際のデータではM2>M3でした。

ということは「両チームの実力差があり勝つ確率が1/2ではなかった」のかもしれません。

 

 M0は、p=0.5の時に、最小となります。pが0.5から離れると、値が、増えて行きます。そして、p=0または、p=1の時はM0=1になります。(pが、0.5から離れるということは、実力の差があるということです。離れる度合いが、大きければ、4勝0敗で、決着する確率は大きくなります。)

M1は、少し複雑です。p=0.5で、極小値を、取ります。

また、p=0.22とp=0.78で、極大値を、取ります。最大値でもあります。pが、この2つの値から、離れると、減少して行きます。実力差が、大きくなるにつれて、4勝1敗よりも、4勝0敗が、起こりやすくなります。