●紫外線 〜メリット・デメリット〜

                    2022.07.02     猪塚憲機

 紫外線が強くなってきました。紫外線は人間にとって、良い作用もあれば、悪い作用もあります。突然ですが問題です。

[問題1]

 ガラス越しの光でも日焼けするでしょうか?

(予想)

. する

. しない

 

[問題2]

 ガラス越しの光でビタミンDは生成できるでしょうか?

  (ビタミンDの役割:骨格と歯の発育促進。小腸、血液中、神経、筋肉での働き)

(予想)

. できる

. できない

 

[問題3]

 「皮膚科の軟膏」には、ふつう「ワセリン」が入っています。そんなワセリンの入った軟膏を塗って紫外線に当たると「黒くなる」というのは正しいでしょうか。

(予想)

. 正しい

. 正しくない

 

●紫外線(Ultraviolet rays=UV光)には、種類がある。

●UAVとUVBの違い



日焼け止め

 (サンスクリーン剤)

 

 

 

 

サンオイル

(日焼けをしたい人用)


答え [問題1]  ガラス越しの光でも「(ア)日焼けする」

   [問題2]  ガラス越しの光では、ビタミンDは「(イ)できない」

[問題3]

(イ,紫外線に当たっても黒くならない)

 ワセリンの成分は鉱物油(石油)です。昔は精製技術の精度が低くて「不純物」が多くふくまれていて、そのために色素沈着が起きることもありました。現在のワセリンは純度が高くなり、そのようなリスクはほとんどありません。したがって今は「ワセリンを塗って黒くなる」ということは、ありません。

 

[問題4] 

 紫外線を遮断する効果が強いのはどちらでしょうか?

 ア. 黒色のかさ

 イ. 白色のかさ

[問題5]

 オレンジなど柑橘類のジュースは次のどのタイミングで飲むといいでしょうか?

 ア. 朝

 イ. 夜

 ウ.   いつ飲んでもかまわない。

 

 

[問題4]の答えと解説

 黒い色のほうが、紫外線の遮断効果が強いです。白は、可視光線を反射する力は強くても、紫外線は別の話です。黒は、紫外線でも吸収します。ただ黒は熱を吸収しやすく暑くなるので、日傘の表側を白、裏側を黒にしているものが多く出回っています。

 

[問題5]の答えと解説

 数年前、テレビの情報番組で「朝、オレンジなどの柑橘類ジュースを飲むと、日焼けしやすくなる」と報道されました。「柑橘類には[ソラレン]という物質が含まれていて、体内に入り皮膚で紫外線に敏感に反応する」「摂取して2~3時間くらいが最大なので、朝の柑橘類は避けたほうが良い」というのです。

 その後「大量に(何十杯も)飲まなければ影響はない」という訂正報道も流れました。正解は、朝でも夜でもかまわないでした。

[問題6]

 日焼け止め(サンスクリーン剤)の表示に

  SPF        PA

とあります。どういう意味でしょう。

ア. SPFもPAも日焼け止めの効果の強さ

イ.  どちらか1つだけが日焼け止めの効果の強さ

 

 

 

(答えと解説)

[問題6]  SPF(Sun Protection Factor)   UVBをカットする効果の続く時間

          SPF20(6時間半)、SPF30(10時間)、SPF50(16時間ほど)     

    PA(Protection grade of UVA)  UVAを防ぐ効果の大小

         「PA+ 効果あり」「PA++ 効果かなりあり」「PA+++ 非常にある」「PA++++極めてある」

 

 日焼け止めメーカーは次のように言っています。

  「目的に合った日焼け止めを選ぶこと」「2〜3時間ごとに塗る。汗などで流れるから」

 

 (骨粗鬆症のNさんの場合は「顔だけ日焼け止めを塗り、手足から紫外線を吸収して、体内でビタミンDを増やす」がおすすめ)