⚫︎老後は「貯金」? 「貯筋」? ー筋肉こそ大切ー

 最近「ロコモ」という言葉を聞くことがあります。

「ロコモ」とは「ロコモティブ シンドローム」の略語で「運動器症候群」という意味です。つまり立ったり歩いたり座ったりすることが困難な状態のことをいいます。内蔵や脳が健康であっても歩いたりできないと、旅行とかも制限されて「生活の質」が低くなってしまいます。

 さらに最近の研究では、筋肉から「マイオカイン」という物質が出てこれが脳の活性化に役立つということも報告されています。このように筋肉は老後の人生にとても大事です。

 

 

<筋トレの考え方>

 中高年者の場合、「強度」の筋トレは、血圧の上昇を起こすなどのリスクがあります。

 ただし、例えば、単にウオーキングだけしていても筋肉を鍛えることはできません。

 日本整形外科学会では「ロコモ」の予防や改善のための運動としてロコモーショントレーニング(ロコトレ)を提唱しました。これは「スクワット」と「「開眼片脚立ち」からなります。


 さらに筋肉を鍛えたいという人のために「ロコトレプラス」という運動を推奨しています。これは、「ヒーレイズ」という踵上げ運動と「フロントランジ」という足を前に出して腰をゆっくりと落とすという運動です。(ただし、バランスを崩し転倒の危険もありますので、自分の体の能力に応じて行うという注意が必要です。) ⏩日本整形外科学会https://locomo-joa.jp/check/locotre/

<たんぱく質の取り方>

 従来、運動直後にたんぱく質をとるのが良いといわれてきましたが、中高年者の場合はむしろ3食のバランスを整えることが重要です。つまり朝食、昼食、夕食を通してたんぱく質をとるのが良いということです。