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日本は所得格差が少ないか

 右の地図を見てください。国ごとの所得格差を表しています。日本は「薄い色(格差が小さい)」ですが,アメリカ,ブラジルなどは「濃い色(格差が大きい)」になっています。

wikipedia「国の所得格差順リスト」より,「国ごとのジニ係数の地図(1992から2020年までの最新年)


「社会実情データ図解」2024.1.27閲覧

https://honkawa2.sakura.ne.jp/4647.html

 

パルマ比率 

所得格差、所得の不平等を示すジニ係数に代わる指標として、近年、パルマ比率が注目されている。ここでは、世界の主要地域、主要国のパルマ比率をグラフにした。ジニ係数による所得格差の国際比較については図録4652参照。

 

 南米チリ出身の経済学者パルマの研究から生まれたこの比率の算出法とその意義についてはコラムを参照。パルマ比率は、所得分布の片寄りを科学的に示す精度をジニ係数とほぼ同様に保ちながら、ジニ係数より、説明の容易さ、分布状況の変化への反応性、地域ごとの違いの反映度において優位性が高い、有用な指標とされている。

 

 世界のパルマ比率は2005年に1.8(倍)であり、アフリカ南部、ラテンアメリカが、それぞれ、5.2、4.0と非常に高い一方、北欧は1.0と低くなっている。中国は1990年の1.25から2005年の2.15へと72%も上昇し、同じく大きく1.59から2.1へと上昇した米国を上回るに至っている。

 日本は表示されている国別の中で最も低く、地域グループの中で最低の北欧諸国をも下回っている。パルマ比率によれば、日本の所得格差は、世界で最も小さい部類に属するといってよい。

 日本の有識者やマスコミは、犯罪、疾病、貧困などの社会問題については、低減、撲滅へ向けた道徳的判断に適合的なデータに注目すればよいと考えているので、おそらく、このパルマ比率はほとんど注目されないであろう。

「パルマ比率」子どものいる世帯の所得分布の上位10%の総所得が下位40%の総所得に占める 割合日本は貧富の格差が少ない。 ↓


ジニ係数(ジニけいすう、英: Gini coefficient)とは主に社会における所得の不平等さを測る指標である。 0から1で表され、各人の所得が均一で格差が全くない状態を0、たった一人が全ての所得を独占している状態を1とする。