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「理論医学は人類を救う」か?

⚫︎インスリンの2面性 ー健康で長生きするためにー

 インスリンは「膵臓から分泌されるホルモン」です。血液中の糖を筋肉内に取り込むだけでなく,いろいろな作用に関わります。

 そんなインスリンには,別の側面もあります。多すぎると,体にいろいろな症状を引き起こすのです。

 私は,以前,狭心症になり再発を心配しています。健康で長生きするにはどうしたらいいのでしょうか。それは,ひょっとしたらインスリンが鍵かもしれません。

 新井圭輔という医師には『理論医学は人類は救う』(日刊現代2023)という書籍があり,その「帯」には,こうあります。

 定説は真実とは限らない。「糖尿病合併症も」「高血圧も」「がんも」「バセドウ病も」「心不全も」「網膜症も」,「治療の本質」を追求すれば,治療法はおのずと見えてくる。

 

 右の図は,新井(2023)p.12によります。「過剰なインスリンがいろいろな病気を引き起こす」ということです。

 新井(2023)は「多くの病気の鍵は,インスリン」だといいます。

 たとえば,ふつう糖尿病患者(後天的な)には,「インスリンがたくさん出る薬」を処方します。たとえば「リベルサス(GLP-1促進剤)」という薬があります。この薬は「ダイエットに効果がある」ということで,世界中で使われてしまい,糖尿病患者への供給が不足して問題になっています。

 新井医師は,糖尿病治療にそんなインシュリンを促進する薬を決して処方しません。

 

 実は「日本腎臓病学会」の機関誌も同様の見解を述べています。

 肥満の主要な病態としてIR(インシュリン抵抗性),高インスリン血症(インスリンが血液中に常にたくさんある状態)があげられる。 IR は,血管内皮細胞においては一酸化窒素の合成の低下を引き起こし動脈硬化の原因となる。これら間接的な原因で IR,高インスリン血症が 腎障害を引き起こす。脇野,水口,伊藤「腎とインスリン抵抗性」『日腎会誌』 2014;5(6 1):28-41https://jsn.or.jp/journal/document/56_1/28-41.pdf

 

 インスリンが多すぎると障害を起きおきます。新井(2023)は次のように言っています。

 血糖値を下げようとしてインスリンを使うほど合併症が増えてしまう。(p.37)

 

  糖尿病合併症は高血糖によるものではなく,高インシュリン治療によるものである。(p.53)

 

「糖尿病の合併症って?」『岐阜大学医学部http://www.med.gifu-u.ac.jp/diabetes/patient/gappei.html


⚫︎動脈硬化を防ぐには

「動脈硬化」を防ぐには,新井(2023) p.57

 動脈硬化は,超悪玉コレステロールに活性酸素が加わると急速に進展する。

      善玉コレステロール(HDL)はこれを防ぐ。

 ここからは,永田孝行『驚異の低インシュリンダイエット』主婦の友社,2002に従って述べることにします。

⚫︎食後血糖値は食べたもので異なる

「糖質制限」と「低インシュリン」とは,どう違うのでしょうか?

 同じ糖質でも,食後血糖値が違うのです。


 「血糖値を上げない食品」を知るには,GI値(Glycemic(血糖)Index)を知る必要があります。 主なGI値は,右の通りです。同じ食パンでも「白いパン」と「全粒粉パン」とでは,かなりGI値が違います。

 また運動も大切です。脂肪がエネルギーに分解されて,ダイエットにもつながります。↓


 永田孝行さん(『驚異の低インシュリンダイエット』の著者)による糖質について知っておくべき15のこと」です。▶️https://www.fujingaho.jp/lifestyle/beauty-health/g33828213/saccharinity-toushitsu-200828-hns/

1 糖質は体に必要。けれど脂肪と隣り合わせ

2 糖質は過多になると、生活習慣病を招く

3 ダイエット目的による糖質オフはキケン(筋肉を落とすな!)

4   糖質そのものよりも、血糖値を”急上昇”させるのがNG

5    GI値60以上のものを極力避ける(100前後で最も高いのが、白砂糖、菓子パン、キャンディ、チョコレートなど)

6 野菜、たんぱく質、炭水化物の順番に食べる

7 食事のときには酢や牛乳を忘れずに(GI値が高いものは、食物繊維が多いサラダや酢、牛乳、乳製品と組み合わせで)

8 スイーツは食後2~3時間以上経ってから食べる

9 食後30分以内に、軽い運動を(運動をはじめると、血糖(ブドウ糖)がエネルギーに)

10  油は控えめにする (糖質の高いものと油脂をいっしょに摂ると、血糖値が上昇する一方で血中脂質も増やす)

11  食事中、水分は控えめにするジュース、お茶、アルコール、ラーメンのスープなど)

12  アルコールは低GI値。おつまみに注意

13  パスタはアルデンテで、チーズをかけて(しっかりゆでたパスタは消化・吸収が速く、血糖値の急上昇に)

14  食事に20分以上かける

15  ビタミンB1とB2を積極的に摂る  糖質がエネルギーに変わるのを助け、脂肪分解を助ける)