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安保徹の考え方

⚫︎安保徹の考え方は「革命」か

 どうしたら自分の人生を最後までまっとうできるか。寿命のときまで、健康でいられるか。そんなことはだれも教えてくれない。医者は、病気になったらみてくれる。「予防医療」については、自分で答えを見つけていくしかない。

 そんなときに見つけたのが、この本である。

安保徹『免疫進化論』(河出書房新社,2006)

 

安保徹(1947-2016)医学博士、専門は免疫学。新潟大学名誉教授。日本自立神経病研究科終身名誉理事長。69才、大動脈解離で死去。

⚫︎『免疫進化論』から引用する

 病気知らずで元気に過ごし、天寿を全うしたいものである。しかし、図らずとも病気になったとき、どのように対処したらいいのであろうか。現代医学や現代医療では慢性の過程をとる病気に対して、多くは原因不明の薬物療法を行う傾向になっている。高血圧症、腰痛、潰瘍性大腸炎、歯周病、ガン、アレルギー疾患などがこのような流れに入り、必ずしも良い治療効果を上げているとは言い難い。このような状況から脱却するためには、慢性疾患の発病メカニズムを明らかにする必要がある。(p.13)

(井藤)

 昼間、自宅でテレビをつけていると、通販サプリ商品のオンパレードである。それは「腰痛」「美容」「目」「肥満」など。「サプリを飲むだけで、健康になるのだろうか」と疑う。「もっと根本的方法(運動とか、食事とか)があるのではないか」と。(安保は続ける)


.........からだを臓器別に理解していれはその目的にたどり着くことはできない。からだを全体的に把握しないと病気の成り立ちも、加齢現象も明らかにできない。そして、その全体的な把握のためのキーワードが、からだの防御系(白血球系)、調節系(自律神経系)、循環系(体温)などである。

(井藤)

 私がずっと不満に思っているのは、私の持病(骨粗鬆症)について、主治医の整形外科医は、何も生活指導をしてくれないことである。たしかに病気を治してくれる医者はありがたい。でも、もっと大切なのは、病気にならないように指摘してくれる医者ではないだろうか。


(井藤)

 今回、一冊の本(『あなたの細胞が見えたなら』)を出そうと準備を続けている。そのコンセプトは「まだ60代の人が気を付けべきこと」「今なら間に合う健康の秘訣」である。

 といっても世の中には「健康法」の本は、山のようにある。それも内科医でも外科医でも神経科医でも生物学者でも教師でも、その専門をはみ出てなおかつ信頼できる本を書く人は「稀有」である。そんな中で、信頼できる本ができるといい。まずは自分の健康のために、そして家族・友だちのために。さらにできたら、多くの人々のために。

 (1)からだの防御系(白血球系)、(2)調節系(自律神経系)、(3)循環系(赤血球など、体温)

 上の3つを総合的に扱っている本ができることを願って、書き続けたい。