· 

日本の「再生可能エネルギー」の割合はどれだけ?

⚫︎日本2050年、カーボンニュートラル

 日本は、2050年までに「カーボンニュートラル」にすることになっています。実現できるのでしょうか。

 まず、現在(2021年)の「CO2の排出量」の現状はどうなっているでしょう。

 下のグラフは、新聞記事からのものです。これを

見ると「再エネ18.1%」とあります。

 つまり、現在カーボンニュートラルに向けて

ア. 「18.1%達成できている」と言える。

イ. 「18.1%達成できている」とは言えない。

 

「カーボンニュートラルの基礎知識」『トヨタ西日本カローラ』よりhttps://www.nishitokyo-corolla.co.jp/information/carbon_neutral

「再エネ」とは「再生可能エネルギー」のこと。


 「18.1%達成できている」とは言えません。なぜでしょう。上のグラフをよく見てください。「電源構成」つまり「電気だけ」の統計なのです。2018年に使った全エネルギーのうち「電気」は、たった25%が「電気」です。「11-1 総合エネルギー需給バランス2018」『日本の統計2021』https://www.stat.go.jp/data/nihon/11.html


上のグラフを「日本で使われているエネルギー全体」での割合に、書き直すと、「再エネ」は

 それでは「再生可能エネルギー」とは何でしょう。「何度でも使えるエネルギー」です。7種類あります。

1太陽光 2風力 3水力  4地熱  5太陽熱  6大気中の熱その他の自然界に存在する熱 7バイオマス(動植物に由来する有機物) 

 現在の日本で、この7種類のエネルギーの中で、いちばんたくさん使われているのはどれでしょう。

 

「発電における再生可能エネルギーの割合」『資源エネルギー庁』データより作成 https://www.enecho.meti.go.jp/about/special/shared/pdf/energy_in_japan_for_school_2.pdf


 この中で「バイオマス発電」は、CO2の削減になるのかどうかは議論が分かれます。

 また「水力」は、これから増加することは期待できません。

 やはり今後のCO2削減に貢献しそうなのは「太陽光」「風力」「地熱」の「自然エネルギー」です。

「SUUMOジャーナル」より https://suumo.jp/journal/2017/10/19/143586/


 ということで、現在の日本で使われているエネルギーのうち

   太陽光発電だけで、たったの1.5%

 本当に2050年に「カーボンニュートラル」は実現できるのでしょうか。

 トヨタ自動車の社長豊田章男さんが、日本政府の発表に対して、厳しい口調で「これは、国家のエネルギー政策の大改革なしには達成できない」と語りました。https://news.yahoo.co.jp/articles/e39e57dafda93bbc02fc68a8f694198be57482fe

 我々、日本人は「カーボンニュートラル」の問題について、どう考えていけばいいのでしょうか。それは「正しいデータ」を知ることから始まるのではないでしょうか。


(追加問題)COP26で、石炭発電が問題に

 COP26(気候変動 枠組 条約 締結国 会議)が、2021年10月31日からイギリスのグラスゴーで開かれました。そこで「石炭発電をなくす」というイギリスからの提案に、多くの国が賛同しました。日本、アメリカ、中国などはそこに入っていません。

 そこで問題です。2019年の日本の石炭発電は30%(全発電量の中で)です。

イギリスの石炭発電は何%でしょう。

ア.  20%

イ.  10%

ウ.  もっと少ない

イギリスは7%ほどです。多くの国の「電源構成」です。ヨーロッパ諸国は、石炭火力が少ない。それがジョンソン大統領が強く他国に求めた要因の1つです↓ https://sustainablejapan.jp/2020/04/03/world-electricity-production/14138