NHKテレビで次の番組を見ました。
「地球温暖化はウソ?世論動かす“プロ”の暗躍」
アメリカで「地球温暖化」の議論の背後に、石油メジャーの支援するプロが暗躍した、という話です。
2020年にデンマークで作られたドキュメンタリーです。
そこからサークルで議論がわきおこりました。
私は、私なりの研究をしてみました。
10年ほど前に書いたグラフからです。
⚫︎『理科年表』の「気象部」「各年の月平均気温」
ここには、日本各地の「毎日の平均気温」のデータが40年間にわたって掲げられています。
国立天文台編『理科年表 2011』(丸善)という本があります。そこには、東京など各地の30年間の「平均気温」のデータが掲げられています(下は「仙台」)。
これをグラフに描いたらどうなるでしょう。
[問題1]
1年で、いちばん寒いのはいつでしょう。
ア. 1月20日 (24節気の「大寒」の頃)
イ. 2月3日 (「立春」の頃)
ウ. 2月14日 (「バレンタインディ」の頃)
右のグラフを見てください。東京の30年間の平均気温です。
いちばん寒いのは、1月25日から2月3日ぐらいです。
[問題2]
1年で、いちばん暑いのはいつでしょう。
ア. 7月22日(「大暑」の頃)
イ. 8月7日(「立秋」の頃)
ウ. 8月23日(「処暑」の頃)
一年で一番暑いのは、8月の最初「立秋」のあたりです。
[問題3]
この「寒い日」「暑い日」は、日本中どこでも同じでしょうか。札幌と鹿児島のデータと比較してみましょう。3都市の「寒い日」「暑い日」は同じでしょうか。
ア. 3都市とも同じ。
イ. 同じではない。
だいたい同じです。ただ夏は温度差が縮まります。冬は広がります。つまり「夏はどこでも暑い」「冬は北の方がはるかに寒い」です。
[問題4]
ここまでのデータはA「1981年から2010年まで」を使いました。古い『理科年表』を見ると
B『1950年から1981年まで」のデータもありました。
この2つで「東京の平均気温」のデータを比較するとどうなるでしょう。気温は上がっているでしょうか。
ア. Aの方が明らかに気温が上がっている。
イ. AもBもほとんど変わらない。
いかがでしょう。365日、すべてで気温は0.5度から1度くらいあがっています。ただ「東京」のデータなので、都会特有の「ヒートアイランド現象」かもしれません。さて。
秀夫さんが「地球温暖化」について、次のように考えました。みなさんはどう思いますか。
「地球ができて45億年の間に大きな気候変動があって、いまの産業革命前後からわずか2,300年のことで騒ぐことなのか」とつい思ってしまう。どう考えたらいいのかな? 素朴な疑問!
リカさんの話を聞いて、サークルのメンバーの白熱討論が始まりました。
私のグラフは10年前に書いたものです。その当時の私は「地球温暖化」については、さほど関心がありませんでした。
でも、2021年になり、あらためてグラフを見直すと、「この気温上昇は地球温暖化のせいかもしれない」と思うようになりました。世の中が「地球温暖化」と叫ぶことが多くなったからかもしれません。
それはまるで〈ものとその重さ〉の授業を受けたときのようです。そのときは、問題を積み重ねていくうちに仮説「重さが足し算になる」「原子の分だけ重くなる」が真理になっていくような気がしました。
「地球温暖化」についても「仮説」が少しずつ「確信」になってきているような気がするのですが、みなさんはいかがですか。
グラフは、東京だけですが、他の地方も描いてみたらどうなるでしょう。
[問題5]
『理科年表』(1981年版、丸善)には、「気温の半旬別平均値, 1941-70までの平均(気14)」という各地のデータが載っています。そこから「札幌」「鹿児島」の気温をグラフにかいて,上の1981-2000と比べてみます。「札幌」「鹿児島」の平均気温は40年間であがっているでしょうか。
1981-2000の平均気温は、1941-70に比べて
ア. 明らかにあがっている。
イ. なんともいえない。
グラフの2つの線が重なれば[イ]、重ならなければ[ア]です。
さて結果は??
那覇の平均気温も調べてみました。