あなたは病院にかかったときに会計窓口で診療代を支払いますよね。 <質問>この料金についてあなたは高いと思いますか?
(ア) 高いと思う
(イ) まあまあかなと思う
(ウ) 安いと思う
日本では「保険診療」と「自由診療」があります。 「保険診療」は国が料金を定めています。その3割なり1割なりを支払います。 消費者(患者)は価格を定めることはできません。
いっぽう「自由診療」はそれぞれの病院が自由に値段を決めています。 消費者(患者)は価格をみて「自由に」病院を選択できます。 (完全ではありませんが「需要」と「供給」のバランスで価格が決まります)。
ここでは「保険診療」のほうを考えます。 最初の質問ですが、これまでにもいろいろと議論がなされています。 例えば、外国と比較するというものもあります。 今回は少しユニークな視点からみた資料がありましたのでご紹介します。 「アトピー性皮膚炎治療薬の経済評価」という論文です。 (出典;池田俊也ほか;アトピー性皮膚炎治療薬の経済評価,日本皮膚科学会雑誌, vol 111,965-970,2001)
「タクロリムス軟膏(商品名プロトピック軟膏)という軟膏の価格をアンケートにより調査した。
調査対象として首都圏在住の 20~59 歳の男女 1,000 人に対して面接法で調査をした結果、平均的に 1 か月あたり 11,540~11,710 円程度の医療費負担をする意思があるとの結果が得られた。 実際の診療報酬は 1 ヶ月 30g投与で 11,210 円となり、かなり近い数字となった」
私自身としては、この薬のおかげでアトピー性皮膚炎の治療がとてもやりやすくなり 画期的な薬剤だと思っています。とても「お値打ち」だと感じています。 最近「高薬価」の薬(抗がん剤など)が多く出るようになり、保険財政を圧迫することが 問題になっています。
「適正な」価格の決定は本当に難しいものです。
自分で商品やサービスの値段を決めることが出来たらとても楽しいでしょうね。でもそれは夢のような話です。 ところが、そんな夢のようなことが起きました。 「自分で点数を決める」というユニークな大学入試問題が出題されたのです。
1995 年の京都大学の数学の問題です。
「自然数nの関数 f(n),g(n)を f(n)=n を7で割った余り
g(n)=3f(Σ(k=1 から 7)k^n) (k^nはkのn乗のこと) によって定める。
(1) すべての自然数nに対して f(n^7)=f(n)を示せ。
(2) あなたの好きな自然数nを一つ決めて g(n)を求めよ。
その g(n)の値をこの設問(2)におけるあなたの得点とする。 (1995 京都大学 文系 後期 第4問 30点) 」
自分で点数を決めることができるなんて最高ですね。 と最初は思うのですが、実は、カラクリがあるのです。 実際に解いてみると
「nが 6 の倍数のときに 18 点、それ以外のときには 0 点!」となります。 世の中そんなに甘くないですね。