だいぶ前の話ですが、映画「007」の中で全身に金粉を塗られた女性が「皮膚呼吸」ができなくなり、死んでしまうというシーンがありました。しかし、実は人間の場合「皮膚」での呼吸は全体の1%もありません。(両生類は50%)従って呼吸困難で死んでしまうことはありません。かと言って「安全」というわけでもありません。
皮膚の主な働きは4つです。
1. 外部からの防御
皮膚は外界からの異物の侵入を防いでいます。
また色素細胞は紫外線から守るためメラニン色素を作っています。
2.体温調節
皮膚にある汗腺は汗を分泌し、蒸発熱により体温の調節をしています。また不感蒸泄という自然蒸発のしくみもあります。これにより体温の調節をしています。
3.物質の分泌
汗腺からは体内の老廃物を汗として排出しています。
また皮脂腺からは皮脂を分泌し、皮膚の保湿作用をおこなっています。
4.ビタミンの産生
日光の作用によりビタミンDを合成しています。ビタミンDは骨の生成にとって大事なビタミンです。これ以外にもいろいろな物質を吸収したりもしています。
このように皮膚は単なる「膜」ではなく、さまざまな働きをしています。
先ほどの皮膚に金粉を塗るという行為は2の体温調節機能を妨げて「熱中症」のような
状態になる可能性はあります。
「無汗症」という汗が出なくなる人は「熱中症」になりやすいです。