大阪市 岡部智子
「1年の時は、よく踊ったなあ.......」
と、さっちゃんがニコニコしながらつぶやきました。
今、4年の我がクラスの子どもたちは、1年生の時も1年間一緒に過ごしました。転勤して今の学校で初めて担任したのが1年生...。本当によく歌って、踊りました。
朝..........♪コーコケコッコ、夜が明けた♪と歌であいさつして1日が始まります。立ったり座ったりは、オルガンのメロディーで.........。こうやって生活の中に運学が溶け込んでいました。音楽の時間だけでなくて、算数の答え合わせも、♪いいで〜す。ちがいま〜す♪と高い響きのある声で歌うようにしていました。
毎年、何年生を担任しても月に一度「(だいたい月末)、お楽しみ会をしています。低学年では、ゲームや出し物をして楽しむだけでなく、毎月必ず「お誕生日なかま」の曲で歌って踊りました。
♪1月生まれのお友だち、みんな出てきて踊ろうよ♪と手拍子を打ちながら歌って、その月の子どもたちがクルクル回って踊りました。男の子は女の子と.....女の子は男の子と.....気に入った人の手をとってクルクル回りました。人気者のさっちゃんは回って席に戻ったとたん、また選ばれて踊っていたものでした。踊り足らない人は、最後にまた出てきてにこにこして踊り回っていました。
毎月月初めに席替えをしました。席替えの前は"1か月仲良くしてくれてありがとう”の気持ちを込めて手遊び歌をして、さようならをしました。「アルプス一万尺」や「幸せなら手をたたこう」や「茶つみ」の歌を歌うのが、席替えの前のお別れの儀式でした。
そして新しい班の人たちと”1か月よろしくね!”の気持ちを込めて「踊りの好きなウンパッパ」や「さあみんなで」......などの歌に合わせて円くなって踊りました。
音楽の時間は一番楽しい時間。机を後ろに下げてみんなまるくなって、ドキドキしながらリズム・リレー.....。お隣さんの人とは違うリズムを打ちながリズムが受け継がれていく時、みんなの心は一つになりました。♪タンタタタタタンタン♪と打つとみんなで♪タンタタタタタンタン♪と打ちました。あの緊張感は何とも言えないものでした。
輪唱は、最高に楽しい! 「毛虫が3匹」「なるだろなるだろ」「だるまさん」........(玉川学園大学で歌われている教材が主)。どならないで、がならないできれいな声でハーモニーを楽しむことを大事に輪唱しました。
授業中、うるさくなったら、手拍子を打つと、子どもたちは条件反射のように♪タンタンタンタン♪と手を打って静かになりました。こうして1年間ほとんど大きな声を出したり、おこったりしないで気持ちよくすごくことができました。
「静かにしてくださーい」と言わずに「ゆびのはくしゅ」の歌を歌って最後には「シーン」と静かになりました。また「山小屋一軒」の歌に合わせてパントマイム歌あそびをしたり.......どんな時でも音楽がありました。
終わりの会は歌って踊って........。2、3曲みんなで楽しい歌を歌うのが終わりの会! そして最後は♪さよならーさよならー♪と歌って帰りました。さよならしたあとも廊下から歌声が聴こえます。
音楽でクラスづくりすると、クラスみんなが仲良くホンワカといい雰囲気になります。
「もったいない」とずっと思い続けてきました。「智子さんのプランは1クラス30人だけのためにとどめておくのはもったいない」と。今回思ったのは「ピアノが弾けない人でもできるプラン」「小学校だけでなく、高齢者施設、いやいや大人対象にコンサートでも使えるプラン」だということです。
イタリアに行ったとき、街角に音楽があふれていてびっくりしました。夜になると、人々は、オペラ鑑賞に出かけます。まるでプロ野球ナイターのようでした。路上でも音楽家がいっぱいでした。日本はまだまだ音楽が不足しているように思っている私です。
ぜひ智子さん、まだまだ人生は長いので、いっしょに授業プランを全国に広める仕事をしましょう。お願いします。