日本シリーズが4勝何敗で決着するか?という問題を考えます。セリーグの代表はドラゴンズ、パリーグの代表はホークスにしておきます。
両チームの勝つ確率が1/2の時は「日本シリーズと数学」で解説しました。
ここでは、勝つ確率が異なる時を考えます。
ドラゴンズの勝つ確率をp,Hの勝つ確率をqとします。
0<p<1,0<q<1です。またp+q=1です。(つまりq=1-p)
4勝0敗で決着する確率をM0
4勝1敗で決着する確率をM1
4勝2敗で決着する確率をM2
4勝3敗で決着する確率をM3
とします。
M0=p⁴+q⁴=p⁴+(1-p)⁴
M1=4p⁴q+4q⁴4p=4{p⁴×(1-p)+(1-p)⁴×p}
M2=10p⁴×(1-p)²+10p²(1-p)⁴
M3=20p³×(1-p)³
これをグラフで示すと次のようになります。
<M2(4勝2敗)とM3(4勝3敗)の大小について>
M2のグラフとM3のグラフを比べてみると
p=1/2の時 M2=M3 それ以外の時 M2>M3
が成り立ちます。
実際のデータではM2>M3でした。
ということは「両チームの実力差があり勝つ確率が1/2ではなかった」のかもしれません。
M0は、p=0.5の時に、最小となります。pが0.5から離れると、値が、増えて行きます。そして、p=0または、p=1の時はM0=1になります。(pが、0.5から離れるということは、実力の差があるということです。離れる度合いが、大きければ、4勝0敗で、決着する確率は大きくなります。)
M1は、少し複雑です。p=0.5で、極小値を、取ります。
また、p=0.22とp=0.78で、極大値を、取ります。最大値でもあります。pが、この2つの値から、離れると、減少して行きます。実力差が、大きくなるにつれて、4勝1敗よりも、4勝0敗が、起こりやすくなります。